20091120
1.〇KAZUKI(8:52ダイビングニードロップから)×黒木千里
黒木のドロップキックを初めて見る。私は道場マッチやニュー全女に行っていないので知らないが、使うのは初めてではないだろう。打点はやや低かったが、コーナーに詰めて串刺しで連発。
ロープに胸を打ちつけられて反動で飛ばされるやつ、あれを見て、後ろ受け身がしっかりしているな、と思う。
90°ずつ角度を変えて四方からショルダータックル。一度めは持ちこたえられてダウンを奪えなかったが、二度目のトライで倒すことに成功。(ボディスラムにも挑んだものの、逆に投げられるばかりだった。)
ナックルの打ち合いは、敵わないながら、今までに比べれば力強かった。
相手のKAZUKIが上手かったことにも拠るのだろうが、練習の成果が確実に表れているのだと思う。
2.NEOハイスピード王座次期挑戦者決定戦 3way
〇佐藤綾子(7:44Leonのジャックナイフを上から押さえ込む)×コマンドボリショイ
※もう1人は闘獣牙Leon
ボリショイさんが以前より誉めている佐藤が、抜擢されて挑決戦にエントリー。
ゴング直後から、2人を敵に回して、伸びるドロップキックドロップキック連打連打。
ハイスピの前王者夏樹が、控室につづく扉の前で観戦していた。
3wayならではの動きとして目立ったのは、ポスト最上段のLeonが、センターに居るボリショイへミサイルキック、と見せかけて、トップロープをとんとんと走り、端っこに居た佐藤にドロップキック。あとはボリショイが、蚊帳の外のもう1人の身体を有効に使い、投げて目前の相手にぶつけたりとか、こういった形式に、慣れた巧さを発揮した、ぐらい。Leon−ボリショイ間は、これはもう、絶品の息の合い方なのはいうまでもない。

しかし、いくら「コミカルは無し」と予告しても、結局このルールはゲーム性が強い、というより、“番狂わせ”が起きても不自然ではないので、佐藤が入った時点でこの結果は十分に予測もできた。
12・6新宿のタイトルマッチは、佐藤の能力を考えれば、もちろん、好試合も期待できる。だが、米山が後輩にへんに合わせてしまうと、ベルトを獲った対夏樹のような、凡戦になってしまうことも考えられる。むしろ、チャンピオンの側に、遠慮をしないでもらいたい。
3.春山香代子、〇蹴射斗(11:08ファルコンアローから)さくらえみ、×星ハム子
ほかの3通りの顔合せでは試合前の握手が成立するが、さくらと春山とは、警戒なのか躊躇なのか、呼吸が合わない。


先発もこの両者だが、さくらが間合いを外して、触らないうちにチェンジ。ハム子は「蹴射斗でてこい」と挑発、春山もあきれたように替わる。
「どうせお前すかすやん」と、乗ってこない蹴射斗の腕を無理やり掴んでチョップ合戦を自作自演するとか、

インディアンデスロックをわざと春山にカットさせて倒れてみせ、蹴射斗のダメージを深くさせるとか、

ロープを追いかけっこするように出たり入ったり、蹴射斗を取り残してエプロンで春山と鉢合わせさせてたところへクロスボディ、2人まとめて落とし、そこへ星を鉄砲玉にして、エプロンからプランチャで飛ばすとか、ポストから宙吊りにして鼻フックで「春山ブタ子」と叫ぶとか。
前半は、けっして正面から向き合わずナナメに構えて曲線的に行く自在なペースで、さくらが、やや息の合わないJWP組を幻惑する。(配下の松本都の動きを部分的に取り入れて、ひらりひらりと舞うとか。)先述した場面のほかにも、ハム子を手足のように使ってタックルでカットさせるとか。
中盤以降は、蹴射斗を意識してどんどん前に突っ込んでいく星が、かえってJ側の連係に捕まりがち。相撲の突っ張りが春山にぜんぜん通じなかったり。

しかし、11・3キネマでは返せなかった踵落しを、さくらのカットと同時に自力でも撥ねて、蹴射斗の次の矢を引き出した。


試合後のマイクの応酬については、週プロモバイルでもスプランディードでも見れば分かると思うが、この無差別への挑戦物語が、業界全体や幅広いファンの話題につながっていないと焦るさくらは、何でもかんでも、どうにかこうにか、自分の団体とJWP、女子プロレス全体を騒がせよう、盛り上がらせたいとあの手この手の発言(Jヲタはなかなか乗ってこないが)。

ひとつ。自らの保持するICE×60のベルトの価値に、JWPの歴史の重さを一瞬にして乗っけようとして、日向あずみをその挑戦者に指名した台詞のなかで、鋭いと思ったのは。「かわいい後輩がたくさんいると思います。Leonに負け、倉垣に負け、それでも勝ちにこだわる試合を最後までしたいと言ったのは日向さんですよね」「なんで勝ちたいんですか。その上に何かがあるからですよね」。


ともあれ、11・27アイスリボン蕨で、ノンタイトルのシングルマッチさくらvs日向が決定した。
4.JWPタッグ、デイリースポーツ女子タッグ、両王座次期挑戦者組決定戦
〇パッションホッティー、夏樹☆たいよう(20:19ピラミッドドライバーから)倉垣翼、×阿部幸江

開始してすぐの場外乱闘で、客席の椅子を奪って、凶器にしようと振りかぶった堀田を、夏樹が蹴りで制止する。お約束の一幕。
とはいえ、パッションレッドのほうが、でかくてパワーがあるがのろくてスタミナのない堀田と、小さいが速くて絶えず動き回る夏樹と、双方が補い合ってバランスが取れている気がした。
JWP側も、力と技、という点では似た組合せだが、中盤の、阿部のボディプレス→倉垣が最上段で阿部をモーモーバスターで抱えあげてリバーススプラッシュで投げ落す→倉垣ムーンサルト、の連係が目立った程度で、コンビネーションの良さは感じられなかった。

終盤は、対パッションに燃える阿部が矢面に立ってホッティーと一騎打ち。各種丸め込みを連発、タイガードライバーはカットに助けられ、11・3キネマで涙をのんだ堀田の掟破りの遅いラマヒも返したが、変形(クロスアーム式)ライガーボムに敗れた。
5.〇米山香織(24:24米-ZOU)×日向あずみ
これまで、練習と戦いとを、ながい時間ともに積み重ねてきた2人。お互いの癖も手の内も知り尽くしている証しであるような、途切れることのないグラウンドの切り返しあいで試合が始まる。
場外に落ちた日向に、ダイブを狙う米山。虚々実々の駆け引きのすえ、仕掛けは未遂に終わるが、ロープ越しに叫ぶ「おい日向あずみ、最後だからって淋しがってんじゃねえぞ。鬼の日向で来い!」

そっけなく「淋しがってねえよ。自意識過剰だよ」と応じる日向。そう、実は淋しがってるのは米山のほうなんだと、観ている者には伝わってしまう。…


序盤は、足4の字に上体を起こして、ブブブブ唾を飛ばして技を解かせようとしたり、 逆エビに、踵で背中をジタバタ突いて逃れようとしたり、ある意味、米山らしい動きがやや笑いも誘う。が、しだいに、宙で相手を受け止めた日向がシュミット流背骨折り、ボストンクラブ、定番の腰責めだがいちだんと厳しい。場外でも、抱えて鉄柱に腰を打ちつける。クロスフェース。呻く米山。


中盤以降。米山のターンは、ロープワークでカウンターのジャンピングニーアタックから。日向から受け継いだ流れの技だ。つづけざまにWリストアームサルト。細かいせめぎ合いのすえロールスルージャーマンを決めるが、ムーンサルトは膝で迎撃され、ローリングソバットの1発めも避けられる。
10・4後楽園の春山戦でも見せた、不知火と思わせてフェイントで、いっしょに前転するように投げる技。通常の不知火。ダイビングセントーン。ポストに乗せられてスパイダージャーマンを狙われるが、堪えて雪崩式不知火に切り返す!
スパイダーが今度は決まる、ローリングソバットも2発め、3発めは命中する。
米山が初めて無差別に挑んで、評価の高かった05年2月のキネマ。団体の期待を背負って、今の時期とも共通してさくらの後押しを受けた07年12月後楽園のタイトルマッチ。
敗れた2回のタイトルマッチも名勝負だったが、私がなんとなく好感を持って覚えているのが、
06年2月キネマの、挑戦者決定リーグのなかの、引き分けに終わった1戦。
今日のこの試合、だんだん米山優勢の展開に私は、当然、米山に勝ってほしい一念もありながら、日向−米山の最終に相応しいのは時間切れドローではないかという気もしてくる。…
みちのくドライバーIIからのカバーは、この日も撥ねられる。
斜め下から入る、米-ZOU・改を久しぶりに見せるが失敗に終わる。ここまでに何度も仕掛けが躱された正調の米-ZOUが、遂に決まるがカウントは2。
日向の技、ロープに胸をあずけてリングに背を向けた相手の後頭部へのニーアタックを米山が炸裂させる。
さらに最上段から、ダイビング延髄ニー。
決勝打はもちろん、今日2回めの、米-ZOU。




勝ってしまった。これでもう日向さんとは最後なんだと、試合が終わってはじめて気が付いたというような。茫然自失というか、半泣き顔のままどうしたらいいかわからず、テッシーに助けを求めるように、すがりつく米山。
日向はサバサバして、心からの笑顔をみせる。
メインの勝者なのに、放心状態で喋れず、締めのマイクを握れない米山を気遣って、ハイスピードの防衛戦にまで触れてFACEの予告を替わってしてくれた日向。それと、試合での姿とは、もちろん別なんだが…先のさくらの言葉ではないが、あの厳しかった鬼の日向がこうして、淡淡と割り切ったように、ちゃくちゃくと後輩に負けていくのは淋しいなあ…
でも、あんな米山の、素直な、真心の、感情の現われを見られたのは幸せだった。
ボリショイ曰く、「可愛がってるのに付き合いが悪い」「なかなか心を開いてくれない」のが、日向と米山の共通点だそうだ(笑)。分かるような気がするなあ。自己主張が控え目で堅実なような、、、うまく言い表せないが、、、
いざ試合になると、とびきりの負けず嫌いで意地っ張りでもあった日向だが、自己顕示欲が旺盛だったわけではない(それが、あるときには、JWPの団体としての弱点にそのまま重なって露呈してしまっていたきらいも、無かったわけではないと思う)。それが今の、後輩に対しての恬淡とした境地に、通じているのか。
12・27引退試合のカードは、日向&ボリショイ vs 春山&米山。発表を聞いただけでうるっときたので、当日私は観ながら泣いてしまうかもしれない。
テーマ:プロレス - ジャンル:スポーツ
- 2009/11/20(金) 23:07:05|
- JWP
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